PriceStats®:インフレ指標
オンライン⼩売業者が販売する数百万品⽬の価格に基づいて算出した、四半期インフレ指標を分析し、インフレの及ぼす影響を投資家が予測・評価する⼿助けをします。
インフレ率は高水準で1年を終える
米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとする各国中央銀行が、先進国の多くで物価が堅調であると示唆していることから、インフレ正常化への期待はこのところ後手に回っています。また、12月は概ねインフレ警戒派が一息つける時期となりますが、PriceStatsによるオンラインのインフレ水準は年末の物価が平均を上回ることを示しています。月次インフレ率の多くは依然として1桁台であるため、パニックに陥る必要はありませんが、12月のホリデーディスカウントによく見られる通常のデフレと比べれば、こうした過去のパタ ーンからの変動は注目に値します。
例えば米国では、PriceStatsは12月の月次上昇率を9ベーシスポイント(bp)と示しています。12月の典型的な数字が5bpのマイナスであることに比べるとポジティブではないものの、それほど問題にすべき数字ではありません。この上昇幅とベース効果があまり好ましくなかったことから2025年の米国のオンライン・インフレ率は8月以来初めて2%を超えてスタートすることになります。ユーロ圏のデータはやや落ち着きを欠き、ユーロ圏の月次インフレ率は30bpを超え、年率では今四半期初めて2%を上回り、10月には底を打ったとみられます。イングランド銀行(BOE)も同様の苦境にあり、前月比+32bpと、夏の終わり以来初めて年間のインフレ率が3%を上回る見通しです。こうした傾向が続くと、中央銀行の多くは、ほとんどの先進国市場が依然として基本シナリオとしている利下げ計画を再考する必要に迫られるかもしれません。
米セクター別インフレデータは平均値近辺
詳しく見ると、米国全体のインフレデータは2024年終盤はシーズン平均を若干上回って推移しているものの、セクターレベルの詳細では、ほぼ10年平均に近い水準にあります。「ブラックフライデー」の大規模なセールが12月の物価水準に好影響を与えた可能性があり、最近の傾向よりも若干高めに見えることがわかっています。とはいえ、当社が追跡している主要カテゴリーのうち、衣料品のみが10年平均を上回っており、食料品と健康・美容関連の価格はともに季節的水準を下回っています。ブラック・フライデーで最も大幅な値引きが行われたとみられる家電製品でさえ、本来この時期に予想される値上げが行われています。これらはすべて、FRBを後押しする材料となるでしょう。FRBは、2%という目標はまだ達成可能であると主張し続けていますが、関税政策の導入で目標達成までの期間が延びる可能性があります。
図表2:12月インフレ率 対 季節平均値

日本のインフレ率は上昇を続けている
日本のインフレ率は2024年のほとんどで上昇傾向にあり、物価上昇の一時的な休止を経験していない数少ない国の一つとなっています。このことは、日本銀行がより積極的に利上げに踏み切る可能性を高めていますが、日銀は金利正常化プロセスにおいて、揺るぎない忍耐強さを示し続けています。PriceStatsの年間インフレ率は2024年末の時点で3%を超え、2012年にオンラインで日本の物価の追跡を開始して以来、最高値となっています。日銀は公式発表で、利回り上昇の見通しに対して概ね曖昧な姿勢を維持しているものの、当四半期のインフレ率が90bp上昇したことから、日銀は引き続き利上げを実施するものと予想しています。公式発表のインフレ・データが直近のオンライン・データから乖離していることから、当社データとの再調整により、日銀は早晩利上げに踏み切らざるを得なくなるでしょう。