上場投資信託(ETF)とは、株式、債券、通貨、コモディティといった有価証券を一つのバスケットに束ねたもので、取引所における1回の取引でまとめて売買することができます。通常、手数料(運用報酬)控除前の指数パフォーマンスに連動し、資産クラス、地域、セクター、投資テーマといった特定の市場セグメントに的を絞ったエクスポージャーを提供します。
基本的に、ETFは投資信託と同様の分散効果を提供するファンドで、株式と同じように取引されます。1度の取引で、世界中の企業に分散化された、低コストで透明性が高く、税制面でも効率的なエクスポージャーを得ることができます。
ETFのメリットを理解することは、ETFが自分のポートフォリオにとって適切な選択肢となり得るかどうかを判断するための重要なステップです。
目標エクスポージャー
ETFは通常、指数に連動しており、以下のような特定の市場セグメントへのエクスポージャーを提供します:
低い経費率
ほとんどのETFはパッシブ運用されているため、アクティブに運用されるファンドに比べ、一般的に運用報酬や運営管理費用が低く抑えられています。指数自体および指数に連動するほとんどのETFの銘柄入れ替え頻度が低いため、取引コストは最小限に抑えられます。手数料や費用を低くすることで、投資家は利益をより多く確保することが可能になります。
高い流動性
ETFは、流動性を向上させる2つの機能によって恩恵を受けます。
1.プライマリー市場の流動性 - ETFには独自の設定/交換の仕組みがあり、指定参加者(Authorized Participants、 APs)は、需要が生じた時にはETF受益証券のバスケットを構築し(設定)、需要が減ってきた時にはETF受益証券のバスケットを解体して個別の銘柄に戻すことができます(交換)。これがプライマリー市場の機能で、ETFの原資産の流動性が、ETFの流動性を向上させる役割を果たします。
2.セカンダリー市場の流動性 - 流通市場である取引所では、立会時間の間受益証券が取引されているため、投資家はタイムリーに投資判断を行い、変化する市場の状況に応じて素早く注文を出すことができます。
高い租税効率
ETFは一般的に、他の投資手段と比較して税効率が高いことが特徴です。これは、ETF受益証券そのものの設定/交換に際して、最も税効率の高い方法でポートフォリオに証券の組み入れ/除外ができるためです。また、ETFは一般的に市場指数に連動するため、ポートフォリオの入れ替え頻度が低く、その結果、キャピタル・ゲインの実現確定が抑えられ、課税額も少なくなります。さらに、関連するキャピタル・ゲイン税は最終的な売却時に課せられるため、課税時期を調整できます。
高い透明性
ほとんどのETFの保有銘柄は完全に透明で、毎日入手することができます。このような情報開示により、投資家は自分が何を保有しているかをいつでも知ることができ、より正確な情報に基づいた投資判断を行うことができます。