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ETFについて知ろう

ETFをポートフォリオに活用する方法

ETF(上場投資信託)はもともと、機関投資家に価格の透明性を提供するために考案されました。しかし業界の規模が爆発的に拡大するなか、投資家が、ポートフォリオのニーズに対応するために、この柔軟性のあるファンドを利用する方法も生まれました。現在、あらゆるタイプや規模の投資家が、ETFを用いてポートフォリオを構築・管理する様々な戦略を採用しています。

アセットアロケーションの幅を広げる

ETFは、市場全般のエクスポージャーや、アセットクラス別、株式時価総額別、スタイル別、セクター別など様々な市場セグメントに特化したエクスポージャーを取るための洗練されたツールを投資家に提供します。これにより投資家は、それぞれの財務上のニーズ、リスク許容度、投資期間に合わせた投資ポートフォリオを構築できます。

ストラテジック(戦略的)アセットアロケーション

戦略的アセットアロケーションは、長期保有を見込むアセットクラスのターゲットアロケーション(目標とする資産配分)です。ターゲットアロケーションは変更されず、様々な資産のリターンの変化により、ポートフォリオの資産構成が当初設定から大きく乖離した場合、ポートフォリオのリバランスを行います。戦略的アセットアロケーションは、ポートフォリオ全体のリスク目標をより重視しており、したがって長期的な視点に立って設定されています。

検討している投資対象が世界の株式市場全般や債券市場全体であれ、特定の国、コモディティ、不動産のポジションであれ、お客様の目的の実現を助けるようなETFはおそらく1つまたは複数存在します。

タクティカル(戦術的)アセットアロケーション

戦術的アセットアロケーションは、短中期的な視点で市場の投資機会を模索するものです。投資家は短期の戦術的投資機会を利用するために、長期アセットアロケーションをリアルタイムで調整できます。
戦術的な調整として、たとえば、投資妙味が高まった市場やセクターのアロケーションを増やしたり、投資妙味が低下した市場やセクターのエクスポージャーを減らしたりします。また、投資家のこうした戦術的な行動は、機会やリスクが解消すれば、簡単に元に戻せます。一般的に低コストで日中に売買ができるETFは、戦術的アセットアロケーションの効率的なツールと言えるでしょう。

コア-サテライト戦略

コア-サテライト戦略では、ポートフォリオのコア部分で広範な市場と同等のリターンを追求し、サテライト戦略を用いてアルファの機会を模索し、コア市場以外のエクスポージャーを通じて分散効果を高めます。
広範な、市場連動型ETFは投資戦略のコア部分に使用できます。セクター別ETF、コモディティ・ベースのETF、あるいはその他のスマートベータETFやアクティブETFは、コア部分を補完するコスト効率的なサテライト戦略としてポートフォリオに追加できます。このアプローチでは、投資家はリターン向上のためにエクスポージャーやリスクをカスタマイズできます。

投資しにくい市場へのアクセス

ETFは投資を民主化し、個人投資家にも機関投資家と同じ投資ソリューションを同じ価格で提供します。ETFによるポートフォリオは、個人投資家に以下の新たな資産に投資する機会をもたらしてきました。

  • 新興国市場
  • 債券
  • コモディティ
  • 通貨
  • マネージド・ポートフォリオ
  • その他、多数の資産

ETFは市場エクスポージャーを拡大するための、便利で移管可能な投資手段です。

ポートフォリオ管理

ETFを用いたポートフォリオ管理の選択肢は幾つかあります。

  • ETFが本来もつメリットを活かし、ポートフォリオのリバランスを行い、長期の戦略的アセットアロケーション目標を達成できるように維持します。
  • ETFを用いることで、刻々と変化する市場状況あるいは投資家のニーズの変化に応えるため、ポートフォリオ戦略の改良や保有銘柄の調整を容易に行えます。
  • 年末には、含み損がある場合、それを利用してポートフォリオのリバランスを行うのに適しています。

リスク管理

現在では幅広いタイプのETFがあるため、以前は大手機関投資家しか採用できなかった、リスク管理のアプローチを個人投資家や中小の機関投資家も採用できるようになりました。

  • ETFは多くのデリバティブ契約に比べて小さな単位で売買できるため、どのような規模のポートフォリオにも、それぞれに適した正確なリスク・エクスポージャーを提供できます。
  • またセクター別ETFは、リスクを株式市場全般にわたり効果的に分散することで、エクスポージャーをヘッジできるため、株式オプションを大量に保有する投資家に役立つツールです。

税務管理

ETFを用いることで投資家は税金面での損失を最小限に抑えることができます。ETFは通常、指数に連動するため大きな乖離はなく、その分キャピタルゲインも少なく、かかる税金も低くなります。投資家は通常、他の投資家の償還によるキャピタルゲインを認識していません。

移行管理

アセットマネジャーを変更する際、多くの投資家が懸念するのが、移行期間中どうやって株式エクスポージャーを維持するかです。そのための1つの方法は、ポートフォリオを清算し、アクティブ・マネジャーのベンチマークとの相関性が高いETFに再投資することです。新たなマネジャーが決まれば、投資プロフェッショナルがETFの持分を売却し、その資金でこのエクスポージャーを購入します。