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ETFについて知ろう

債券ETFを選択するための枠組み

上場投資信託(ETF)が急速に普及したことで、投資家の選択肢は増えました。しかしその一方で、投資家にとってETFを使いこなすことは、より難しいことだとも言えます。ETF市場の成長に伴い、最適な投資先を見極めることが一段と難しくなっています。この実践的な枠組みは、リスク、利回り、分散など、投資家がそれぞれのニーズを満たすために最適なETFを選択するのに役立ちます。

投資目的の評価

検討中のETFは自身の投資目的に合致していますか?

質問とそれが重要な理由

投資目的とどの程度リスクを許容できますか?

債券投資に関する自らの投資目的とリスク許容度を理解することは、投資の最も重要な要素の一つです。投資スタイルは機動性重視ですか、それともバイ・アンド・ホールドですか?投資目的に出来るだけ合致したETFを選ぶことが重要です。

想定する投資期間は?

長期的な戦略的投資なのか、戦術的投資なのか。投資スタイルはダイナミックなのかバイ・アンド・ホールドなのか。ETFの透明性、売買のしやすさ、コスト効率*は、コスト抑制やトラッキングを重視する、投資期間5年ないしは10年の戦略的投資家にも、簡単かつ容易に売買できることを重視する、投資期間3ヵ月の戦術的投資家にも役に立ちます。

ポートフォリオは厳格な投資ですか、それとも分散投資を行っていますか?

地域、国、資産クラス、通貨などの要因を分散化することで、固有リスクならびにポートフォリオ全般のボラティリティを抑制できます。一方、ETFは投資家が望む目標となるエクスポージャーを提供したり、不要な目標を回避したりする、精密なツールにもなりえます。

インデックスの評価

インデックスは自身のポートフォリオに合っていますか?

質問とそれが重要な理由

ETFはどのような方法で参照インデックスを模倣していますか?構成銘柄をすべて組み入れる完全法、最適化法/層化抽出法などのサンプル型、あるいはシンセティック型か?

どの方法を使うかによってETFのトラッキングエラー、コスト、リスクに与える影響は異なります。多くの債券ETFは、最適化法/層化抽出法を用い、参照インデックスの特徴を厳密に反映した、代表的な、あるいは最適化されたポートフォリオを構築しています。

インデックスが設定されて何年ですか?

参照インデックス自体は新しく構築されたものでも、インデックス・ファミリー(ブルームバーグ、FTSEラッセル、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスなど)の市場での運用年数が安定性の目安となります。

インデックスはどのような加重方法を採用していますか(たとえば時価総額加重法)?

加重方法が異なると、一見同じように見えるインデックスでも、パフォーマンスやリスク/リターン特性に差が出る場合があります。

インデックスの構成銘柄は日次ベースで報告されていますか?

透明性の高い保有データは、原債券のメリットとリスクを理解する鍵となります。このデータはインデックス・プロバイダーのウェブサイトで簡単に入手できます。

インデックスのリバランス頻度は?

伝統的に、債券インデックスは、毎月最終営業日にリバランスを実施します。リバランスにより売買は月末に集中し、新規銘柄の組み入れも行われます。

インデックスの構成銘柄と自身のポートフォリオの既存戦略との間に大幅な重複はありますか?

ポートフォリオの保有銘柄に重複が多いと、様々な地域、発行体、デュレーションに対するエクスポージャーが過度に大きくなる可能性があります。インデックスは透明性が高いため、インデックス運用を取り入れることでこうした重複をほとんどなくすことが可能です。

インデックスにはどのようなリスクがありますか?

債券インデックスに付随する主要なリスクには、為替リスク、金利リスク、信用リスク、流動性リスクがあります。ただしこの限りではありません。

ETF発行体の精査

発行体企業はETF市場で確固たる評価を得ていますか? 債券投資に適したリソースやスキルを備えていますか?

質問とそれが重要な理由

ETF発行体は、債券ETFの開発・管理にどの程度の経験を有していますか?

ETFの開発・管理に長年携わってきた伝統ある大手発行体は、進化を続けるETF市場で、おそらく有利な立場にあります。

発行体の債券運用資産総額(AUM)は?

総資産は投資の専門性と安定性の目安となる可能性があります。

発行体が対象とする債券市場の範囲は?

対象範囲が広ければ、イールドカーブ、クレジット、セクター・アロケーションを効果的に管理するために必要な、すべての年限および地域を網羅することができます。

発行体はインデックス・プロバイダーと良好な関係を築いていますか?

インデックス・プロバイダーとETF発行体がパートナーとして信頼関係を築いていれば、ETFの長期的な持続可能性を確保し、商品サポートや新たな商品に対する顧客のニーズにも応えることができます。

有益な取引サポートは提供されていますか?

現在のようなダイナミックなETF市場では、専門家による取引サポートがリターンにプラスの影響をもたらす可能性があります。

発行体は、グローバルおよびローカルで確固たるプレゼンスを有していますか?

たとえば、現地に事業拠点や投資チームがあれば、それぞれのクレジット市場に特化した運用が可能になります。

投資家とのコミュニケーションはどのように行われていますか?

投資家が債券の配分を効果的に管理するためには、ETFプロバイダーからの透明性の高いコミュニケーションが欠かせません。たとえばステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(当社)では、機関投資家が当社のクライアントサービス部門との直接対話や、その他当社の様々なリソースにアクセスいただけます。

総費用の検討

ETFは費用を最小限に抑えることができますか?

質問とそれが重要な理由

ファンドの総経費率は?

ETFの総保有コストは多くの場合、ミューチュアルファンドの経費率より低く抑えられています。運用手数料やファンドの諸経費は別として、エクスポージャーを得るための総費用には取引スプレッドや変動要因、仲介手数料などが含まれます。

投資プロセスでは、リバランス費用がETFのパフォーマンスに与える影響を考慮していますか?

リバランスに関するプロセスや頻度はコストに影響する可能性があります。

平均ビッド・アスク・スプレッドは?

ETFのビッド・アスク・スプレッドが原証券のバスケットのビッド・アスク・スプレッドより小さい場合、より低コストでエクスポージャーを獲得できる機会があると考えられます。

ファンドのトラッキングエラーは?

リターンは時折インデックスから乖離しますが、乖離がかなり大きい場合には、運用能力に問題があることも考えられ、売買コストが過大である可能性にも、注意が必要です。

流動性の測定

好きなタイミングで売買できますか?

質問とそれが重要な理由

債券ETFを売買するための最善のルートとは?

売買ルートは投資家のリターンに影響します。サポート体制の整ったETF発行体であれば、機関投資家それぞれの投資要件に最適なルートを見極めるお手伝いができます。ぜひ当社のクライアントサービス部門にご相談下さい。

ETFは流動性をどのように維持していますか?

ETFには、指定参加者(AP)が必要なときに流動性を創出・提供する「設定・解約(交換)」という独特のプロセスがあるため、売買高の分析からは明らかにならない、潜在的な流動性が備わっています。

流動性は市場ボラティリティの影響を受けていますか?

現物による設定・解約という独特のプロセスにより、ETFの流動性は組入銘柄の流動性を実際に反映します。したがって、売買高が少ない証券を組み入れている場合、APは市場ストレス時に流動性を創出・提供することが難しくなる場合があります。また、流動性の指標は売買高だけではありません。このように市場がストレスにさらされている時には、いつでも当社のクライアントサービス部門にご連絡ください。

取引によって価格が大きく変動することはありますか?

ビッド・アスク・スプレッドが大きいと、ETFの流動性欠如を示している場合が多いため、スプレッドと市場の動きについて時間をかけて観察する必要が出てくるでしょう。